スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

水盤のばら

リルケ


水盤のばら
 
ライナー・マリーア・リルケ(1875―1926)

音もないいのち、はてしなく咲き続くこと、
あたりの物たちが狭くする空間からは、
少しの余地も奪わずに、空間を使うこと、
蔵われたもののように、ほとんど輪郭をもたず、
内部だけでできたもの、
はなはだ奇異な繊細なもの、
そしてみずからの光にみちたもの、――ふちまで光にみちたもの。
これに似たものを何かわれわれは知っていようか?

そしてまたこのようなこと、花びらと花びらがふれあうために、ある感情がうまれることを?

見よ恍惚としてひらくあの白ばらを、
それが、貝がらのなかにまっすぐに立つヴィーナスのように、

ばらたちにとって成れないものがあろうか。うつろにひらかれているあの黄のばらは、

そしてどのばらも、結局は自分だけを内におさめているのではないか?
自分を内に持つということが、外の世界を、
そして風や雨、春の忍耐づよさ、
負い目と不安、仮装した運命、
夕べの大地の暗さ、
曇の変幻と逃亡とほのかな兆し、

さらには、はるかな星の漠とした影響にいたるまでを
ひとにぎりの内部に変えてしまうことを指すのであれば。

いまひらかれたばらのなかに、その内部はうれいもなくよこたわっている。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 小説・文学

〈 未 踏 社 〉

地球
                〈 未 踏 社 〉

「未踏」ホーム   http://www.mitosya.com/

バックナンバー  http://www.mitosya.com/sou.html

ノ ー ト 稿    http://geocities.yahoo.co.jp/gl/mitosya

日 記 ページ   http://geocities.yahoo.co.jp/dr/view?member=mitosya

ア ル バ ム    http://photos.yahoo.co.jp/mitosya

ブリーフケース   http://briefcase.yahoo.co.jp/mitosya

ゲストブック      http://geocities.yahoo.co.jp/gb/sign_view?member=mitosya

アメーバブログ   http://ameblo.jp/mitosya/

FC2 ブログ    http://mitosya.blog41.fc2.com/

FC2 小 説    http://novel.fc2.com/novel.php?mode=ttl&uid=2965299

「未踏」ブログ    http://blogs.yahoo.co.jp/mitosya

サント=ブーヴに反論する

プルースト
    

サント=ブーヴに反論する。

プルースト(1871―1922)

芸術が私にとってどんなものでありえたかということを、サント=ブーヴについて語りつつ、

氏は精神史のなかに、博物誌の手法を導入した。文芸植物学とでも言うべき方法の、

しかし、芸術にあっては、(少なくとも科学的な意味での)先達も先駆者もいない。一切は個人のうちにあり、その各個人が、芸術や文学の試みを、独力で、最初からやりなおすほかはないのだ。

わが身の深部まで降りて、自分の中にもう一つの自我を再創造してみるほか、

氏は、仕事と会話との間に、どんな境界線も引こうとしなかった、「書くことーー」

芸術家たちは、ある神に帰依して次第に離教しがたくなり、やがてもっぱらその神の栄光を讃えるために生涯を献げつくし、

詩人の魂というこの特異な、閉ざされた、外部との交渉を欠く世界、

「月曜閑談」という題名からして、氏にとって、この仕事が、一週間の、熱っぽくも楽しみに充ちた作業にちがいなく、月曜の朝の栄光に輝く目覚めの元になった。

新聞記事の美とは、読者大衆からこそ最終的な表現を汲むものである以上(選りすぐりの大衆であったとしても同じこと)その表現には幾分か通俗的なところがあり、あれこれの読者の、声なき賛同を思い描きつつ、言葉と思索の釣合いを取りながら、他人の協力を得つつ書かれるもの。もっぱら世間を悦ばすため、後世のことは余り当てにしないで書かれたもの。

氏の書物は、さまざまな対談相手を招いての一連の社交場、しかし、詩には、汚れなき愛を歌い、大都会の果てようとする午後の寂寥を、読書の感動を、又、信仰に入りきれない老年の憂愁を歌おうと刻苦しつつ、時には良き成果を上げた。あの厖大な批評作品と、わずかばかりの詩句、それは秤の上で永遠と拮抗させてくれる。

テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

mitosya

Author:mitosya
個人誌「未踏」へようこそ!
http://www.mitosya.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。