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サント=ブーヴに反論する

プルースト
    

サント=ブーヴに反論する。

プルースト(1871―1922)

芸術が私にとってどんなものでありえたかということを、サント=ブーヴについて語りつつ、

氏は精神史のなかに、博物誌の手法を導入した。文芸植物学とでも言うべき方法の、

しかし、芸術にあっては、(少なくとも科学的な意味での)先達も先駆者もいない。一切は個人のうちにあり、その各個人が、芸術や文学の試みを、独力で、最初からやりなおすほかはないのだ。

わが身の深部まで降りて、自分の中にもう一つの自我を再創造してみるほか、

氏は、仕事と会話との間に、どんな境界線も引こうとしなかった、「書くことーー」

芸術家たちは、ある神に帰依して次第に離教しがたくなり、やがてもっぱらその神の栄光を讃えるために生涯を献げつくし、

詩人の魂というこの特異な、閉ざされた、外部との交渉を欠く世界、

「月曜閑談」という題名からして、氏にとって、この仕事が、一週間の、熱っぽくも楽しみに充ちた作業にちがいなく、月曜の朝の栄光に輝く目覚めの元になった。

新聞記事の美とは、読者大衆からこそ最終的な表現を汲むものである以上(選りすぐりの大衆であったとしても同じこと)その表現には幾分か通俗的なところがあり、あれこれの読者の、声なき賛同を思い描きつつ、言葉と思索の釣合いを取りながら、他人の協力を得つつ書かれるもの。もっぱら世間を悦ばすため、後世のことは余り当てにしないで書かれたもの。

氏の書物は、さまざまな対談相手を招いての一連の社交場、しかし、詩には、汚れなき愛を歌い、大都会の果てようとする午後の寂寥を、読書の感動を、又、信仰に入りきれない老年の憂愁を歌おうと刻苦しつつ、時には良き成果を上げた。あの厖大な批評作品と、わずかばかりの詩句、それは秤の上で永遠と拮抗させてくれる。
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テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

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